私は藤吉のことを思いますと、ああ悪いことをしたと、つくづくわが身の罪を思うのでございますが、さればとてお俊を諭して藤吉の後を逐わすことをいたすほどの決心は出ませんので、ただ悪い悪いと思いながらお俊の情を受けておりました。
そのうちだんだん眼が悪くなる一方で役所は一月以上も休んでいるし、私は気が気でならず、もし盲目になったらという一念が起るたびに、悶え苦しみました。
ここに怪しいことのございますのは、お俊の様子がひどく変ったことでございます、なんとなく私を看護するそぶりが前のようでなく、つまらぬことに疳癪を起して私につらく当るのでございます。