なんの頭領だろうと思っていますうちに、その男はずかずか私の枕元に参りまして、
『お初にお目にかかります、私ことは大工助次郎と申しますもので、藤吉初めお俊がこれまでいろいろお世話様になりましたにつきましては、お礼の申し上げようもございません、別してお俊が厚いお情をこうむりました儀につきましては藤吉に代りまして私より十分の御礼を申し上げます。
つきましては、お俊儀は今日ただ今より私が世話することになりましたにつきましては早速お宅を立ち退くことにいたします、さようあしからず御承知を願い置きます』と切り口上でベラベラとしゃべり立てました、私は文句が出ないのでございます。