僕も夜は余り此山を散歩したことのないのが、其夜は月の景色のめでたさに思はず森蔭を歩いて見る気になつた、表の鳥井の方から登つて見ました。
村の八幡の境内もこれほどにはないので、其寂寥たる様は、東京の町の中に如何して斯る場処があるかと、とても実地見ぬ諸君には想像がつかない位でした。
真黒に繁つた木の葉の間から月影が星のやうに見える処もあり、闇々黒々、まるで穴の中を歩くやうな処もあり。
僕も夜は余り此山を散歩したことのないのが、其夜は月の景色のめでたさに思はず森蔭を歩いて見る気になつた、表の鳥井の方から登つて見ました。
村の八幡の境内もこれほどにはないので、其寂寥たる様は、東京の町の中に如何して斯る場処があるかと、とても実地見ぬ諸君には想像がつかない位でした。
真黒に繁つた木の葉の間から月影が星のやうに見える処もあり、闇々黒々、まるで穴の中を歩くやうな処もあり。