この夜も月で、やゝ西に傾いた光が表町の広い道の三分の二をくつきりと白く照らし三分一は南の家並で黒く陰つて居ました、僕の立て居た処は此黒い影の中であるから、向を見て居ると恰度幻灯を見て居るやうです。
軒提灯は蝋燭が流れて、並び連ねた紅い団は一斉に瞬をして居る、人々は最早や祭日の楽を今一時間の中に尽すべく猶ほ浮かれて居る。
黒い人山は少しづゝ其処を移して左右前後に動くのです。
この夜も月で、やゝ西に傾いた光が表町の広い道の三分の二をくつきりと白く照らし三分一は南の家並で黒く陰つて居ました、僕の立て居た処は此黒い影の中であるから、向を見て居ると恰度幻灯を見て居るやうです。
軒提灯は蝋燭が流れて、並び連ねた紅い団は一斉に瞬をして居る、人々は最早や祭日の楽を今一時間の中に尽すべく猶ほ浮かれて居る。
黒い人山は少しづゝ其処を移して左右前後に動くのです。