此時が十時半。
馬丁が喧嘩をして其一人が短刀で刺れたといふ事件、而もがや/\騒いで走り廻つた何十人の一人も其実際を見ることは出来ず、たゞ夜ふけに大道を大声をあげ駈け廻はつただけです。
東京には斯いふ馬鹿気たことが少くないので、火事と弥次馬は東京の名物、それが夜の街をやゝもすると騒がして居るのです。
此時が十時半。
馬丁が喧嘩をして其一人が短刀で刺れたといふ事件、而もがや/\騒いで走り廻つた何十人の一人も其実際を見ることは出来ず、たゞ夜ふけに大道を大声をあげ駈け廻はつただけです。
東京には斯いふ馬鹿気たことが少くないので、火事と弥次馬は東京の名物、それが夜の街をやゝもすると騒がして居るのです。