山王台の上から此光景を見下すと恰度田舎のお祭のやうです。
曇つた晩などカンテラの光が雲に映つて遠くから見ると火事かと思はれるばかり。
聯隊の兵士、田町の芸者、小役人の細君、会社員、娘、明治の江戸ッ子、種々雑多の人で、一口に言ふと上流社会を除いた其以外の東京人士の標本は悉く縁日の夜に其御面相から風俗から流行までを陳列するのです。
山王台の上から此光景を見下すと恰度田舎のお祭のやうです。
曇つた晩などカンテラの光が雲に映つて遠くから見ると火事かと思はれるばかり。
聯隊の兵士、田町の芸者、小役人の細君、会社員、娘、明治の江戸ッ子、種々雑多の人で、一口に言ふと上流社会を除いた其以外の東京人士の標本は悉く縁日の夜に其御面相から風俗から流行までを陳列するのです。