池上權藏は此日から生れ更りました、元より強健な體躯を持て居て元氣も盛な男ではありましたが、放蕩に放蕩を重ねて親讓の田地は殆ど消えて無くなり、家、屋敷まで人手に渡りかけたので、遂に失望落膽し、今更ら世間へも面目なく、果は思ひ迫つて大いに決心して居たのです。
けれども彼は此日から生れ更りました。
一日又一日、彼は稼ぎに稼ぎ、百姓は勿論、炭も燒ば、材木も切り出す、養蠶もやり、地木綿も織らし、凡そ農家の力で出來ることなら、何でも手當次第、そして一生懸命にやりました。
池上權藏は此日から生れ更りました、元より強健な體躯を持て居て元氣も盛な男ではありましたが、放蕩に放蕩を重ねて親讓の田地は殆ど消えて無くなり、家、屋敷まで人手に渡りかけたので、遂に失望落膽し、今更ら世間へも面目なく、果は思ひ迫つて大いに決心して居たのです。
けれども彼は此日から生れ更りました。
一日又一日、彼は稼ぎに稼ぎ、百姓は勿論、炭も燒ば、材木も切り出す、養蠶もやり、地木綿も織らし、凡そ農家の力で出來ることなら、何でも手當次第、そして一生懸命にやりました。