『自分は大島先生を拜んでも尚ほ足りない程に思ふ、それならば大島先生のやうなことを爲ればよい。
其處で學校を建る決心が彼の心に湧たのです、諸君は彼の決心の餘り露骨で、單純なことを笑はれるかも知れませんが、しかし元來教育のない一個の百姓です、寧ろ其心ばせの眞率で無邪氣な處を思へば實に美しさを感ずるのです、僕は。
兔も角も此決心が定まるや、彼は更に五年の間眞黒になつて働きそして、遂に一の小學校を創立して、これを大島仁藏の一子大島伸一に獻じ、大島小學校と命名して老先生の紀念となし一切のことを若先生伸一に任して了つたのです。