町はだらだらとして、平地の上に横たわっているばかりであります。
しかるに、どうしてこの町を「眠い町」というかといいますと、だれでもこの町を通ったものは、不思議なことには、しぜんと体が疲れてきて眠くなるからでありました。
それで日に幾人となくこの町を通る旅人が、みなこの町にきかかると、急に体に疲れを覚えて眠くなりますので、町はずれの木かげの下や、もしくは町の中にある石の上に腰を下ろして、しばらく休もうといたしまするうちに、まるで深い深い穴の中にでも引き込まれるように眠くなって、つい知らず知らず眠ってしまいます。