花は、ものこそたがいにいい交わしはしなかったが、自分の周囲にも、ほかの高い木や、低い木や、またいろいろな草が、やはり自分たちの運命に甘んじて黙っているのを見ますと、いつしか、自分もあきらめなければならぬことを知ったのであります。
天気のいい日には、海の上が鏡のように光りました。
そして、そこは、がけの南に面していまして、日がよく当たりましたから、花は物憂いのどかな日を送ることができましたが、なにしろ、がけの中ほどで、ことにほかには美しい花も咲いていませんでしたから、みつばちもやってこず、ちょうもたずねてきてくれませんので、寂しくてならなかったのであります。