子規はセル、余はフランネルの制服を着て得意に人通りの多い所を歩行いた事を記憶してゐる。
其の時子規はどこからか夏蜜柑を買うて來て、之を一つ食へと云つて余に渡した。
余は夏蜜柑の皮を剥いて、一房毎に裂いては噛み、裂いては噛んで、あてどもなくさまようて居ると、いつの間にやら幅一間位の小路に出た。
子規はセル、余はフランネルの制服を着て得意に人通りの多い所を歩行いた事を記憶してゐる。
其の時子規はどこからか夏蜜柑を買うて來て、之を一つ食へと云つて余に渡した。
余は夏蜜柑の皮を剥いて、一房毎に裂いては噛み、裂いては噛んで、あてどもなくさまようて居ると、いつの間にやら幅一間位の小路に出た。