膝掛をとられて顫へてゐる今の余を見たら、子規は又笑ふであらう。
然し死んだものは笑ひたくても、顫へてゐるものは笑はれたくても、相談にはならん。
かんからゝんは長い橋の袂を左へ切れて長い橋を一つ渡つて、ほのかに見える白い河原を越えて、藁葺とも思はれる不揃な家の間を通り拔けて、梶棒を横に切つたと思つたら、四抱か五抱もある大樹の幾本となく提燈の火にうつる鼻先で、ぴたりと留まつた。
膝掛をとられて顫へてゐる今の余を見たら、子規は又笑ふであらう。
然し死んだものは笑ひたくても、顫へてゐるものは笑はれたくても、相談にはならん。
かんからゝんは長い橋の袂を左へ切れて長い橋を一つ渡つて、ほのかに見える白い河原を越えて、藁葺とも思はれる不揃な家の間を通り拔けて、梶棒を横に切つたと思つたら、四抱か五抱もある大樹の幾本となく提燈の火にうつる鼻先で、ぴたりと留まつた。