夢のうちに此の響を聞いて、はつと眼を醒ましたら、時計はとくに鳴り已んだが、頭のなかはまだ鳴つてゐる。
しかも其の鳴りかたが、次第に細く、次第に遠く、次第に濃かに、耳から、耳の奧へ、耳の奧から、腦のなかへ、腦のなかから、心の底へ浸み渡つて、心の底から、心のつながる所で、しかも心の尾いて行く事の出來ぬ、遐かなる國へ拔け出して行く樣に思はれた。
此涼しき鈴の音が、わが肉體を貫いて、わが心を透して無限の幽境に赴くからは、身も魂も氷盤の如く清く、雪甌の如く冷かでなくてはならぬ。
夢のうちに此の響を聞いて、はつと眼を醒ましたら、時計はとくに鳴り已んだが、頭のなかはまだ鳴つてゐる。
しかも其の鳴りかたが、次第に細く、次第に遠く、次第に濃かに、耳から、耳の奧へ、耳の奧から、腦のなかへ、腦のなかから、心の底へ浸み渡つて、心の底から、心のつながる所で、しかも心の尾いて行く事の出來ぬ、遐かなる國へ拔け出して行く樣に思はれた。
此涼しき鈴の音が、わが肉體を貫いて、わが心を透して無限の幽境に赴くからは、身も魂も氷盤の如く清く、雪甌の如く冷かでなくてはならぬ。