海の上では、波があって、波はなぎさへおしよせて、岩にくだけ、しぶきは玉のごとくとびちり、遠い水平線は、縹渺として、けむるようにかすみ、白い鳥が、砂浜で群れをなしてあそんでいるのを、雲は山へかえると、おもしろく話しました。
また山では、おいしげる木々に、あらしがおそうと、はげしく枝と枝をもみあい、そして、頂上から落下する滝が、さながら雷のとどろくように、あたりへこだまするものすごい光景を、雲は海へいって聞かせることもありました。
こうして、白い雲は、南方の高い山から、うごきはじめて、北の海のほうへ流れていたのであるが、途中、ゆらゆらと平野をいったとき、そこここに、百姓のすむわらぶきやがあったり、畑をたがやす男女や、馬や、牛や、犬などの姿が、ちらちらと見えました。