浪漫派へ押し込めたものは自然派へ足を出しちゃ駄目だと、あたかも先天的にこんな区別のあるごとく感ぜられて、後世の筆を執って文壇に立つものも截然とどっちかに片づけなければならんかのごとき心持がしますからして、ちょっと誤解を生じやすくなります。
さればといってこの二派が先天的に哲理上こう違うから微塵も一致するものでないという理窟も書いてなし、また理論上文芸の流派は是非こう分化するものだとも教えてくれない。
ただ著者が諸家の詩歌文章を説明する条りを、そうですかそうですかと聞いているようなものでありました。