これは藩主の菩提寺で、そこにいる楚水という坊さんが、二人の親とは昵近なので、用の手紙を、この楚水さんに渡しに行ったのである。
用は囲碁の招待か何かで返事にも及ばない程簡略なものであったが、楚水さんに留められて、色々話しているうちに遅くなって、日の暮れる一時間程前に漸く寺を出た。
その日は何か祭のある折で、市中は大分雑沓していた。
これは藩主の菩提寺で、そこにいる楚水という坊さんが、二人の親とは昵近なので、用の手紙を、この楚水さんに渡しに行ったのである。
用は囲碁の招待か何かで返事にも及ばない程簡略なものであったが、楚水さんに留められて、色々話しているうちに遅くなって、日の暮れる一時間程前に漸く寺を出た。
その日は何か祭のある折で、市中は大分雑沓していた。