けれども、激する事は近来殆んどない。
激すると云う心的状態は、死に近づき得る自然の階段で、激するたびに死に易くなるのは眼に見えているから、時には好奇心で、せめて、その近所まで押し寄せてみたいと思う事もあるが、全く駄目である。
代助はこの頃の自己を解剖するたびに、五六年前の自己と、まるで違っているのに驚ろかずにはいられなかった。
けれども、激する事は近来殆んどない。
激すると云う心的状態は、死に近づき得る自然の階段で、激するたびに死に易くなるのは眼に見えているから、時には好奇心で、せめて、その近所まで押し寄せてみたいと思う事もあるが、全く駄目である。
代助はこの頃の自己を解剖するたびに、五六年前の自己と、まるで違っているのに驚ろかずにはいられなかった。