が、ただ独り夜を縫うミシンの針だけが刻み足に頭の中を断えず通っていた事を自覚していた。
ところがその音が何時かりんりんという虫の音に変って、奇麗な玄関の傍の植込みの奥で鳴いている様になった。
――代助は昨夕の夢を此所まで辿って来て、睡眠と覚醒との間を繋ぐ一種の糸を発見した様な心持がした。
が、ただ独り夜を縫うミシンの針だけが刻み足に頭の中を断えず通っていた事を自覚していた。
ところがその音が何時かりんりんという虫の音に変って、奇麗な玄関の傍の植込みの奥で鳴いている様になった。
――代助は昨夕の夢を此所まで辿って来て、睡眠と覚醒との間を繋ぐ一種の糸を発見した様な心持がした。