紅茶茶碗を持った儘、書斎へ引き取って、椅子へ腰を懸けて、茫然庭を眺めていると、瘤だらけの柘榴の枯枝と、灰色の幹の根方に、暗緑と暗紅を混ぜ合わした様な若い芽が、一面に吹き出している。
代助の眼にはそれがぱっと映じただけで、すぐ刺激を失ってしまった。
代助の頭には今具体的な何物をも留めていなかった。
紅茶茶碗を持った儘、書斎へ引き取って、椅子へ腰を懸けて、茫然庭を眺めていると、瘤だらけの柘榴の枯枝と、灰色の幹の根方に、暗緑と暗紅を混ぜ合わした様な若い芽が、一面に吹き出している。
代助の眼にはそれがぱっと映じただけで、すぐ刺激を失ってしまった。
代助の頭には今具体的な何物をも留めていなかった。