東京市の貧弱なる膨脹に付け込んで、最低度の資本家が、なけなしの元手を二割及至三割の高利に廻そうと目論で、あたじけなく拵え上げた、生存競争の記念であった。
今日の東京市、ことに場末の東京市には、至る所にこの種の家が散点している、のみならず、梅雨に入った蚤の如く、日毎に、格外の増加律を以て殖えつつある。
代助はかつて、これを敗亡の発展と名づけた。
東京市の貧弱なる膨脹に付け込んで、最低度の資本家が、なけなしの元手を二割及至三割の高利に廻そうと目論で、あたじけなく拵え上げた、生存競争の記念であった。
今日の東京市、ことに場末の東京市には、至る所にこの種の家が散点している、のみならず、梅雨に入った蚤の如く、日毎に、格外の増加律を以て殖えつつある。
代助はかつて、これを敗亡の発展と名づけた。