独りで桑圃のある方へ歩いて来ると、おはぐろ蜻蛉が、一疋頭の上を舞っている。
私は、このおはぐろ蜻蛉は、どんな気持で、此の烈しい日光の中を飛んでいるかと思って、暫らく立止って眺めていると、極めて落付いて安心して、自分の考えるまゝに自分は自由に平気で飛んでいるのだといわぬばかりに、ひら/\と頭の上を飛んでいた。
其のような、蜻蛉の飛んでいる様子を見た時に、私は見逃すような穏しい子供でなかった。
独りで桑圃のある方へ歩いて来ると、おはぐろ蜻蛉が、一疋頭の上を舞っている。
私は、このおはぐろ蜻蛉は、どんな気持で、此の烈しい日光の中を飛んでいるかと思って、暫らく立止って眺めていると、極めて落付いて安心して、自分の考えるまゝに自分は自由に平気で飛んでいるのだといわぬばかりに、ひら/\と頭の上を飛んでいた。
其のような、蜻蛉の飛んでいる様子を見た時に、私は見逃すような穏しい子供でなかった。