奇怪な事件が重なり合っているような場合であっても見ている時は成程、其れによって、いろ/\なことを想像したりまた感興を惹かれたりしても、一たび外に出て冷やかな空気に触れゝば、つい、今しがた見たことが夢のように、もっと其れよりは淡い印象しか頭に残らないのであります。
ドストイフスキイの作品は、雑な人生の事件が取扱われていることを否まないけれど、私達に感銘を深からしむるのは、そのためでない。
このときに於て事件というものは、そんなに役立っていない。
奇怪な事件が重なり合っているような場合であっても見ている時は成程、其れによって、いろ/\なことを想像したりまた感興を惹かれたりしても、一たび外に出て冷やかな空気に触れゝば、つい、今しがた見たことが夢のように、もっと其れよりは淡い印象しか頭に残らないのであります。
ドストイフスキイの作品は、雑な人生の事件が取扱われていることを否まないけれど、私達に感銘を深からしむるのは、そのためでない。
このときに於て事件というものは、そんなに役立っていない。