それに学問がないから虐めることが出来ないなどというのは、如何にも可怪しな言葉である。
私は何も博士の家庭に立入って批評しようとするものではないけれども、若しこれが本当の母であったならば、又本当の母でなくとも愛というものがあったならば、如何に博士が厳重に子供を叱ろうとも、それが為めに失敗する事はなかったであろう。
私はこの社会に於て弱者に対して、若しくは貧窮者に対して、これを救うという場合に、単にそれを気の毒だから助けてやるとか、若しくは慈善は善なる行為であるから救うとかいうのでは、反ってその人間を堕落させるのみで、決して社会の為めになるものではないと思う。