今まで述べた三カ条はみな文学史に連続した発展があるものと認めて、旧を棄てて漫りに新を追う弊とか、偶然に出て来た人間の作のために何主義と云う名を冠して、作そのものを是非この主義を代表するように取り扱った結果、妥当を欠くにもかかわらずこれをあくまでも取り崩しがたき whole と見傚す弊や、あるいは漸移の勢につれてこの主義の意義が変化を受けて混雑を来す弊を述べたのであります。
ここに申す事は歴史に関係はありますが、歴史の発展とはさほど交渉はないように思われます。
すなわち作物を区別するのに、ある時代の、ある個人の特性を本として成り立った某々主義をもってする代りに、古今東西に渉ってあてはまるように、作家も時代も離れて、作物の上にのみあらわれた特性をもってする事であります。