なぜなら、人間の本当の幸福は、そうしたところにあるのでなく、たとえそれが童話であるとしても、そうした、これまでの世の中の見方、考方には、少なからざる誤りがあると信ずるがためです。
たとえ、自分達は、衣食に苦しまず、仕合にその日を送っているとしても、一歩外へ出て、あたりをながめれば、道を歩いても、電車に乗っても、いかに貧しく、不幸に暮す人達が多いかを発見するでしょう。
そして、そういう人々を見た時に、やさしい、利巧な同情深い坊ちゃんや、お嬢さん達だったら、きっといろ/\のことを考え、また知りたいと思うでありましょう。