太陽が、賑かな街をながめたり、花の咲く野原を楽しそうに見下ろして、旅をするのとちがって、月は、いつもさびしい町や暗い海を見ながら旅をつづけたのです。
そして、あわれな人間の生活の有様や、飢に啼いているあわれな獣物などの姿をながめたのであります。
子供をなくした親の海豹が、夜も眠らずに、氷山の上で悲みながら吼えているのを月がながめた時、この世の中の、沢山な悲しみに慣れてしまって、さまで感じなかった月も、心からかわいそうだと思いました。
太陽が、賑かな街をながめたり、花の咲く野原を楽しそうに見下ろして、旅をするのとちがって、月は、いつもさびしい町や暗い海を見ながら旅をつづけたのです。
そして、あわれな人間の生活の有様や、飢に啼いているあわれな獣物などの姿をながめたのであります。
子供をなくした親の海豹が、夜も眠らずに、氷山の上で悲みながら吼えているのを月がながめた時、この世の中の、沢山な悲しみに慣れてしまって、さまで感じなかった月も、心からかわいそうだと思いました。