けれども、平岡へ行ったところで、三千代が無暗に洗い浚い饒舌り散らす女ではなし、よしんばどうして、そんな金が要る様になったかの事情を、詳しく聞き得たにしたところで、夫婦の腹の中なんぞは容易に探られる訳のものではない。
――代助の心の底を能く見詰めていると、彼の本当に知りたい点は、却って此所に在ると、自から承認しなければならなくなる。
だから正直を云うと、何故に金が入用であるかと研究する必要は、もう既に通り越していたのである。
けれども、平岡へ行ったところで、三千代が無暗に洗い浚い饒舌り散らす女ではなし、よしんばどうして、そんな金が要る様になったかの事情を、詳しく聞き得たにしたところで、夫婦の腹の中なんぞは容易に探られる訳のものではない。
――代助の心の底を能く見詰めていると、彼の本当に知りたい点は、却って此所に在ると、自から承認しなければならなくなる。
だから正直を云うと、何故に金が入用であるかと研究する必要は、もう既に通り越していたのである。