そこまで漕ぎつけない以上は、頭から、結果と見られべき作物を棄てて源因と認めべき或物の方から説明して、溯る代りに、流を下ってくる方が善い訳になります。
つまり角があるから牛で、鱗があるから魚だと云う代りに、発生学から出立して、どんな具合に牛ができ、どんな具合に魚ができるかを究めた方が、何だか事件が落着したような心持が致します。
私が創作家の態度と題して、歴史の発展に論拠を置かず、また通俗の分類法なる叙事詩抒情詩等の区別を眼中に置かないで、単に心理現象から説明に取りかかろうと思うのはこれがためであります。