トム吉は、立ち止まって、だんだんに遠ざかってゆく若者のうしろ姿を見送っていましたが、まったくその姿が見えなくなると、そこに身を投げ出して、すすり泣きをはじめました。
「なんて、おれは、あのとき、あさましい考えを起こしたのだろう、もし、正直だったら、そして、自分が骨をおって、あの宝石を高く売ってやったら、あの男は、思いがけないもうけに喜んで、半分はお金を分けてくれたにちがいない。
そうすれば、二人とも幸福で、いまごろは、楽しい旅をつづけていたであろう……。
トム吉は、立ち止まって、だんだんに遠ざかってゆく若者のうしろ姿を見送っていましたが、まったくその姿が見えなくなると、そこに身を投げ出して、すすり泣きをはじめました。
「なんて、おれは、あのとき、あさましい考えを起こしたのだろう、もし、正直だったら、そして、自分が骨をおって、あの宝石を高く売ってやったら、あの男は、思いがけないもうけに喜んで、半分はお金を分けてくれたにちがいない。
そうすれば、二人とも幸福で、いまごろは、楽しい旅をつづけていたであろう……。