「昔から、労症という病はあったのだ。
ぴんぴん働いていた人が、だんだん元気が衰えていって、青い顔つきになり、手足がやせて、目ばかり大きく見え、そして、どこが悪いということもなく死んでしまう、いまは、結核なんていうが、昔は、魔がついて、人間の生き血を吸うのだといったものだ。
それを、二股のおんばこを乾しておいて、燈心のかわりに、真夜中、病人の眠っているまくらもとにともすと、そのへやの中に同じ人間が、二人まくらを並べて、うりを二つに割ったように、かわらずに眠っている。
「昔から、労症という病はあったのだ。
ぴんぴん働いていた人が、だんだん元気が衰えていって、青い顔つきになり、手足がやせて、目ばかり大きく見え、そして、どこが悪いということもなく死んでしまう、いまは、結核なんていうが、昔は、魔がついて、人間の生き血を吸うのだといったものだ。
それを、二股のおんばこを乾しておいて、燈心のかわりに、真夜中、病人の眠っているまくらもとにともすと、そのへやの中に同じ人間が、二人まくらを並べて、うりを二つに割ったように、かわらずに眠っている。