一人のおじいさんは、うさぎを飼っていました。
白いのや、黒いのや、なかには、毛色の変わった珍しいのやらがおって、それを大事にして、我が子のように、めんどうを見てやっていましたが、隣のおじいさんが、毎朝、大きなせきをして、うさぎを驚かすので、そのたびに、眉をひそめて、口のうちで、小言をいっていたのです。
また、こちらのおじいさんは、隣の家では、ろくろく庭も広くないのに、うさぎなどを飼っているので、まだ暗いうちから、うさぎがけんかをして、キッ、キッ、といったりする、そのたびに目をさまさせられて、うるさいことに思っていました。