広やかな庭のひなたの方に芽を出したものは、自由に伸びることはできたけれども、反対に、垣根を越して、北の寒い、日蔭に、不幸にも頭を出したものは、どんな憂きめを見たことでしょうか。
ちょうど、そこには、竹の棒や、朽ちかかった杭のようなものや、割れた煉瓦などが積み重ねられてあって、せっかく、芽を出したけれど、柔らかな頭を、それらの無情な物体にくじかれて、曲がりくねって、わずかに、艶気のない青葉をつけているにすぎませんでした。
そして、おそらく、そこに、こうした、不幸な山吹の苗が、存在しているということは、みつばちをはじめ、毎日、そこらへきて、口やかましくおしゃべりをするすずめたちにも、気がつかなければ、また口の端にも上ることはなかったのでした。