破れた小窓の障子をブーム、ブームと風が鳴らして、夜はばったりと暮れてしまいましたけれど、母さんも、父さんも帰って来ません……かねちゃんは、暗がりのまんまで、懐裡にはなにも知らずに眠っているまりを抱いたまましくしくと泣きあかしています。
ただ物凄い風の音と、木の葉がぱらぱらと窓や、壁板に当って散り敷く音を聞くばかりで、誰とて自分の家を訪ねて呉れるものがありません。
かねちゃんは、泣きあぐんで、少し気が労れて、火もない囲炉裏の傍で、まりの温かいむくむくとした毛の中に可愛らしい頬を埋めて、居眠りをしたのであります。