ただ白く雲自身が凍っているように、眤として空は鈍く、物憂く、日の光りすらなかった。
彼方の方は一面に暗くなって見える。
暗くなっている空に浮き出ているように渓を隔てた松林の山は黒く見えて、僅かに見覚えがあるため、それが近くの山であるということが分るが、若し、全く見覚えがなかったなら、あの山は十里も彼方にあると言われたとて、それを信ぜずにはいられないような、遠い気持がする。
ただ白く雲自身が凍っているように、眤として空は鈍く、物憂く、日の光りすらなかった。
彼方の方は一面に暗くなって見える。
暗くなっている空に浮き出ているように渓を隔てた松林の山は黒く見えて、僅かに見覚えがあるため、それが近くの山であるということが分るが、若し、全く見覚えがなかったなら、あの山は十里も彼方にあると言われたとて、それを信ぜずにはいられないような、遠い気持がする。