真夏の時分には樫の木の葉がちらちらと日光に輝いて赤い実が葉隠れに見え、蜻蛉が来ては頭の上をぐるぐると舞っているのを独り欲しそうにその木の下に佇んで、赤い実を見上げていたこともある。
今周蔵のいる家は、全く変っていて前には、格子戸が閉っていた。
中は薄暗く、鏡が光って、大きな太鼓と榊に白紙の結び付けられた生花と、御幣と、白い徳利とが目に入って、それに賽銭箱が直ぐ格子戸の際に置かれてあった。
真夏の時分には樫の木の葉がちらちらと日光に輝いて赤い実が葉隠れに見え、蜻蛉が来ては頭の上をぐるぐると舞っているのを独り欲しそうにその木の下に佇んで、赤い実を見上げていたこともある。
今周蔵のいる家は、全く変っていて前には、格子戸が閉っていた。
中は薄暗く、鏡が光って、大きな太鼓と榊に白紙の結び付けられた生花と、御幣と、白い徳利とが目に入って、それに賽銭箱が直ぐ格子戸の際に置かれてあった。