私は、黙って彼の枕許に坐って見ていた。
やがて、大分冷めた時分に、周蔵は醤油色をした、臭の劇しい煎薬の茶碗を取上げた。
最初は眼を閉って、尖った唇で何か甘い物でも飲むような調子で悠然と吸い始めたが二口、三口目から、彼の顔付は怖しく変って、口は耳許まで裂けたように薄黒い歯をむき出して、大きな口を開けて、眼は険しげに光った。
私は、黙って彼の枕許に坐って見ていた。
やがて、大分冷めた時分に、周蔵は醤油色をした、臭の劇しい煎薬の茶碗を取上げた。
最初は眼を閉って、尖った唇で何か甘い物でも飲むような調子で悠然と吸い始めたが二口、三口目から、彼の顔付は怖しく変って、口は耳許まで裂けたように薄黒い歯をむき出して、大きな口を開けて、眼は険しげに光った。