ふと下から人が見て居やしまいかと思って見下した時には自分は幾十尺という空中に揺ら下っている気持がして、もう眼が昏んで何も見定が付かなかった。
今更私は後悔したけれど、仕方がない。
上を見ると、もう十段か二十段で、桶の端に達する位迄上ったのである……やっと桶の彼方の端が見え出した。
ふと下から人が見て居やしまいかと思って見下した時には自分は幾十尺という空中に揺ら下っている気持がして、もう眼が昏んで何も見定が付かなかった。
今更私は後悔したけれど、仕方がない。
上を見ると、もう十段か二十段で、桶の端に達する位迄上ったのである……やっと桶の彼方の端が見え出した。