おあいは、やはりこの柿村屋へ来るようになってから家を失して落ぶれてしまった一人である。
おあいの亭主というのは、人の好い、女房のいうなりになっている男であったが、時々気に向かぬことがあると癇癪を立て、怒鳴ったり、器物を投げ付けて壊したりしたが、直に、おとなしくなって言うなりになるような意気地のない男であった。
従って、自分は働きというものがなかった。
おあいは、やはりこの柿村屋へ来るようになってから家を失して落ぶれてしまった一人である。
おあいの亭主というのは、人の好い、女房のいうなりになっている男であったが、時々気に向かぬことがあると癇癪を立て、怒鳴ったり、器物を投げ付けて壊したりしたが、直に、おとなしくなって言うなりになるような意気地のない男であった。
従って、自分は働きというものがなかった。