この小さな、軒の傾いた家の前を通った者は、いつもこの家の戸が閉っていたのを見た。
別に訪ねて来る人もない。
夏の盛りに、真黄に咲いた日廻草は、脊高く延びて、朝日が、まだ東の空をほんのりと染めた間際に東を向いて開いたかと思うと、日が漸々上って、南へ南へと廻る時分には、この大きな黄色の花輪は、中の太い蕊を見せて、日を追い始める。
この小さな、軒の傾いた家の前を通った者は、いつもこの家の戸が閉っていたのを見た。
別に訪ねて来る人もない。
夏の盛りに、真黄に咲いた日廻草は、脊高く延びて、朝日が、まだ東の空をほんのりと染めた間際に東を向いて開いたかと思うと、日が漸々上って、南へ南へと廻る時分には、この大きな黄色の花輪は、中の太い蕊を見せて、日を追い始める。