……翁は朝早く、身に附けていた黒の衣も頭巾も脱ぎ捨てて、上下共にちょうど外に降る雪のような白装束に着換えたのである。
――白い頭巾の結び紐は、背のあたりに垂れ下って、胸に掛けた小さな黄金の十字架が、しんとした空気の裡に輝きを放っていた。
翁は、説教壇の前に跪いて、其処に凍え固ったものの如く、火の気のない教会堂の広間に眤として祈りを捧げたまま身動きもしなかった。
……翁は朝早く、身に附けていた黒の衣も頭巾も脱ぎ捨てて、上下共にちょうど外に降る雪のような白装束に着換えたのである。
――白い頭巾の結び紐は、背のあたりに垂れ下って、胸に掛けた小さな黄金の十字架が、しんとした空気の裡に輝きを放っていた。
翁は、説教壇の前に跪いて、其処に凍え固ったものの如く、火の気のない教会堂の広間に眤として祈りを捧げたまま身動きもしなかった。