小川未明 『薔薇と巫女』 声を上げて呼んでも木精より、何の答えもなかった。 小鳥の巣の下に立って物を言ったり、蛙を掌に載せて笑ったりした娘の姿は、この寂然とした広い家敷の中には見えなかったのである。 彼は、礎石の上に腰をかけてコオロギの啼声を聞いていた。 小川未明の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア