「太郎や何処か傷は付かなかったの、もう痛みはとまって。
と、親切に言われるので、この時太郎も二郎も斯様優しい母さんがあるのに、前の母さんを恋しく思うのは罰が当るように思われて、二人は昨夜の夢の話を母さんに言われませんでした。
母親は夕飯の仕度をするからといって、又家の内へ入りました後で、二郎は「兄さん、痛くはないか……」と言って伏目になって足下に落ちている棒に眸を移しました。
「太郎や何処か傷は付かなかったの、もう痛みはとまって。
と、親切に言われるので、この時太郎も二郎も斯様優しい母さんがあるのに、前の母さんを恋しく思うのは罰が当るように思われて、二人は昨夜の夢の話を母さんに言われませんでした。
母親は夕飯の仕度をするからといって、又家の内へ入りました後で、二郎は「兄さん、痛くはないか……」と言って伏目になって足下に落ちている棒に眸を移しました。