その荒れた城跡に草の茫々と生えた中で、夕暮方の空を眺めて一人の痩た乞食が胡弓を鳴らして、悲しい歌を歌っていました。
二郎は物怖ろしくなって、乞食の知らない間に通り抜けようと駆け出しましたが、乞食は別に此方を振向こうともせんで、やはり疲れた風で泣くような胡弓を鳴らしていたのであります。
二郎は昼の中に弁当を食べ尽して、何か食物を買うところはないかと思って、考えていますと、遠くの方で太鼓の音が聞えているので、早速その方を志して道を急ぎました。
その荒れた城跡に草の茫々と生えた中で、夕暮方の空を眺めて一人の痩た乞食が胡弓を鳴らして、悲しい歌を歌っていました。
二郎は物怖ろしくなって、乞食の知らない間に通り抜けようと駆け出しましたが、乞食は別に此方を振向こうともせんで、やはり疲れた風で泣くような胡弓を鳴らしていたのであります。
二郎は昼の中に弁当を食べ尽して、何か食物を買うところはないかと思って、考えていますと、遠くの方で太鼓の音が聞えているので、早速その方を志して道を急ぎました。