武士は妾の請に少なからず当惑したけれど、もはや何れにしても命のない女の身を可哀そうに思って、意を決して二人は手に手を取り合うて、秋将さに深き信濃の山路に逃げのびたのである。
而して三年この池の畔りに二人は安楽に暮した。
しかるに一日夫は狩猟に出かけた限り家に帰えらなかった。
武士は妾の請に少なからず当惑したけれど、もはや何れにしても命のない女の身を可哀そうに思って、意を決して二人は手に手を取り合うて、秋将さに深き信濃の山路に逃げのびたのである。
而して三年この池の畔りに二人は安楽に暮した。
しかるに一日夫は狩猟に出かけた限り家に帰えらなかった。