北の方の国であって、夏のはじめというのに、国境の山々には、まだ、ところどころ、白い雪が消えずに残っていたのでした。
けれど、野原にはいろいろの花が咲いて、澄んだ空の下で、日の光にかがやき、また、どこともなく吹く風に、さびしそうに揺らいでいました。
男は、そんな景色を見ながら歩いているうちに、死んだ女房のことや、子供のことなどを思ったのでした。
北の方の国であって、夏のはじめというのに、国境の山々には、まだ、ところどころ、白い雪が消えずに残っていたのでした。
けれど、野原にはいろいろの花が咲いて、澄んだ空の下で、日の光にかがやき、また、どこともなく吹く風に、さびしそうに揺らいでいました。
男は、そんな景色を見ながら歩いているうちに、死んだ女房のことや、子供のことなどを思ったのでした。