穴の中から、頭を出して、いっさいを知りつくしたのねずみは、あひるが、不格好なようすで、あわてるのを見て、はじめはにくらしい奴だ、いいきみだというくらいに思ったのが、だんだん気の毒になりました。
それには、前にこんなことがあったから――いつかこの流れへ下りた白鳥が、旅のおもしろい話をきかしてやるからと、たくさんの魚たちを集めておいて、ふいに、かわいらしい小ぶなを三びきも食べて、どこかへ逃げていってしまったことを知っていたからです。
けれど、この愚かなあひるには、そんな芸当は、どう見てもできそうはありませんでした。