三びきの子を産むと、一ぴきは、近所の子供が追いかけて、どぶの中へ落としたし、一ぴきは、だれかが連れていってしまったし、もう一ぴきは、車に足をひかれたので、母ねこは、そのたびに悲しんで気が狂いそうになり、ついに仕返しをしようと決心するようになりました。
赤トラは人の家へ入り込んで、はじめのうちは、金魚をとったり、カナリヤを食べたり、お膳についているお魚をさらったりしたくらいのものですが、だんだんいたずらが募って、赤ん坊をひっかいたり、お嬢さんの手提を失くしたり、取り返しのつかないことをするようになりました。
しまいには、「赤トラ」と、きくと、みんなが震えあがるようになりました。