彼は自分で自分の勇気と胆力に驚ろいた。
彼は今日まで、熱烈を厭う、危きに近寄り得ぬ、勝負事を好まぬ、用心深い、太平の好紳士と自分を見傚していた。
徳義上重大な意味の卑怯はまだ犯した事がないけれども、臆病と云う自覚はどうしても彼の心から取り去る事が出来なかった。
彼は自分で自分の勇気と胆力に驚ろいた。
彼は今日まで、熱烈を厭う、危きに近寄り得ぬ、勝負事を好まぬ、用心深い、太平の好紳士と自分を見傚していた。
徳義上重大な意味の卑怯はまだ犯した事がないけれども、臆病と云う自覚はどうしても彼の心から取り去る事が出来なかった。