忘れもしないが、故人は山口邸の時、弟の縁談を断りに行ってアベコベに纒めて帰って来た滑稽談を一席弁じた。
つるやの時は、奈良の色きちがいのお婆さんの話をして、そのお婆さんの顔が「わらじの底のようだった」と云った。
斯くて両人の間には当然長く続いたであろう交際が始まったのであるが、それが僅々数年の後に、突然の故人の逝去に依って絶たれてしまった。
忘れもしないが、故人は山口邸の時、弟の縁談を断りに行ってアベコベに纒めて帰って来た滑稽談を一席弁じた。
つるやの時は、奈良の色きちがいのお婆さんの話をして、そのお婆さんの顔が「わらじの底のようだった」と云った。
斯くて両人の間には当然長く続いたであろう交際が始まったのであるが、それが僅々数年の後に、突然の故人の逝去に依って絶たれてしまった。