谷崎潤一郎 『刺青』 やがて彼は左手の小指と無名指と拇指の間に挿んだ絵筆の穂を、娘の背にねかせ、その上から右手で針を刺して行った。 若い刺青師の霊は墨汁の中に溶けて、皮膚に滲んだ。 焼酎に交ぜて刺り込む琉球朱の一滴々々は、彼の命のしたゝりであった。 谷崎潤一郎の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア